お客様からの情報では、木材によって稀に、柿渋を塗ると小さな黒いシミが多数できる場合があるようです。おそらく、細かい鉄粉か何かが木材の表面に付着しているのではないかと思います。
木材に鉄分が付着して変色することを「鉄汚染」と言うらしいですが。
鉄汚染された木材があればより分かり易いテストができるのですが、使用したシナ合板に柿渋を塗ってみたところ、とくにそのようなシミはあらわれませんでしたので、故意に鉄釘を使って黒い汚れを作り、実験しました。
シナ合板の上にキッチンペーパー・鉄釘を置き、上から柿渋を数滴たらしました。釘の周りが数秒程度で黒くなります。(B以外※)
今回のテストは、お客様からのご質問がきっかけで行いました。その都合で、下記4種類の柿渋を使用しています。
※Bは「着色用」と記された濃い焦茶色の液体で、釘は殆ど黒くならずタンニンがどの程度含まれているのか疑問ではあります。
A・C・Dの釘は黒くなりました。 Bの釘だけは殆ど変化はなくごく一部が黒くなっているかな・・という程度です。
キッチンペーパーと釘を取り除いて、シナ合板に柿渋と黒シミが移っている事を確認してから、4時間ほど放置して乾燥させました。
AとDは少々、Cは大きめの鉄による黒シミができています。Bはもともと濃い色なのでよくわかりませんが、鉄による黒シミはないようです。
シュウ酸(蓚酸:劇物です。取扱い要注意。粉末)を数パーセントの水溶液にし、布に含ませてそれぞれに塗りました。還元性があるため自身が蓚酸鉄となり、A・C・Dの柿渋の黒いシミが消えました。Bだけは変化がありません。
Cの釘も拭いてみましたが、元通りになるわけではなく、黒くはないですが濁ったような光沢になりました。
(注)Aは表面に水分が残っているため、モニターによっては柿渋の色が薄く見るかもしれませんが、実際には色は変わっていません。
また、拭いた布は黒くなりません。いくらか柿渋の色が移ってうっすらと茶色になる程度の変化でした。
※月刊誌「建築知識」を発行されている出版社・株式会社エクスナレッジ様の御厚意で、シュウ酸を使うという情報(資料)をいただきました。あらためて御礼申し上げます。
柿渋染め製品を販売しています。 柿渋染め帆布(生地)の販売も始めました。
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